レーザビーム溶接・切断等の加工において、そのビーム焦点深度が極めて浅いために、焦点位置の移動が加工精度に著しく影響を与える。このため焦点位置の制御が極めて重要な課題になっている。以上の観点からレーザ加工技術のインテリジェント化・自動化・省力化を進めるうえで、加工時のインプロセス情報の解析・解明が不可欠である。本研究はレーザ加工点から発する音響と、プラズマ光のランダム信号情報を解明し、レーザ加工時の特徴情報を把握するインプロセス情報処理の基礎的研究である。本年度はインプロセス情報である音響信号および光信号をデータレコーダに記録し、主にその信号を備品として購入したFFTにより周波数分析を行った。研究実施計画に従って報告する。 1.計測点近傍の暗騒音の周波数分析 インプロセス情報の抽出には、計測システムに入力される様々な信号から不必要な信号(例えば暗騒音)の識別、分離が必要である。計測システムに入力されるレーザ発振機やNC制御装置からの騒音、加工テーブルからのパルスモータ音、加工時の加工ノズルから発生するガス噴出音など、これらの計測点における暗騒音の周波数分析をした。 2.音響信号およびプラズマ光からのインプロセス情報の解析・抽出 溶接時の各種パラメータ(レーザパワー、加工材の材質、加工シールドガスの種類・流量、加工レンズ焦点位置など)を変化させて、音響信号およびレーザプラズマ光の周波数プロファイルの特徴を調べた。
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