• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

水素供給を必要としない非絶対的嫌気条件下における微生物による石油の脱硫系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12875156
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

小野寺 慶子  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70202380)

研究分担者 谷 吉樹  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (60026424)
キーワードPolycyclic aromatic hydrocarbon / Dibenzothiophene / Bioremediation
研究概要

フルオレンや異種元素を構成要素として含むジベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフランなどの多環芳香属炭化水素はクレオソート、原油、シェールオイルなどの構成妻素であり、毒性や発ガン性を有するため汚染問題を引き起こしている。ジベンゾチオフェンやカルバゾールなど硫黄や窒素を含む分子の燃焼は酸性雨の原因となる酸化硫黄や酸化窒素の生成をもたらすため石油からの除去が重要である。ジベンゾフランは農薬として、あるいは染料の媒介試薬として多用されてきた。フルオレンは強い毒性をもつ塩素を含む多環芳香属炭化水素のモデル化合物として分解経路の解明が進められている。
本研究者は石油からの脱硫を行う微生物を探索する過程において、上記の多環芳香属炭化水素を分解する能力を持つ菌を取得した。この菌は好気的に培養された時、これまで、嫌気性菌でのみ報告されている分解系を持つことが示唆されたため、嫌気的な条件下での分解も可能であると考え、詳しく分解能及び代謝経路について検討を行った。
生育条件下では初期濃度3mMにおいて12日目でジベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、フルオレンがそれぞれ46、36、46、29%分解された。休止菌体反応において35時間後に初期濃度0.6mMのジベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、フルオレンのそれぞれ83、58、75、63%が分解された。ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、フルオレンの分解産物に由来すると考えられる吸収が375nm、345nm、326nmで最大値を示した。これらの化合物のGC-MSにより同定を試みたところ、ジベンゾチオフェンについて、代謝産物がビフェニルであることが確認された。
また、上記4化合物に共通して同一分子量を持つ化合物の形成が見られた。一方、16S rRNA法により、本菌はAchromob acter sp.と99%の相同性を有していた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yamada-Onodera K., Morimoto M., Kikuchi H., Tani Y.: "Microbial degradation of polycyclic aromatic hydrocarbons"Abstracts of Amer. Soc. Microbiol. Conference on Biodegradation, Biotransformation, and Biocatalysis, San Juan, U. S. A., October2-6. 44 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi