研究概要 |
不斉合成の数理的解明のため,置換群のマーク表・減縮表・USCI表(unit subduced cycle index表)を計算するためのアルゴリズムを開発し,FORTRAN言語によりプログラムした。USCIよりPCI(partial cycle index)を誘導して異性体の数え上げに適用する方法はすでに報告している。これを,キラルな置換基を含む場合に適用できるように拡張した。この拡張PCI法により,エナンチオ対の数え上げ,アキラル異性体の数え上げなどを行った。可動な置換基をもつ異性体を数え上げるために,置換基の対称性を考慮に入れた新方法を開発した。この方法を2,2-ジメチルプロパン誘導体,ジメチルエーテル誘導体の数え上げに応用した。さらに著者らが開発した特性単項式を用いる数え上げ法を,キラルな置換基を含む場合にも適用できるように拡張した。アレン誘導体などの数え上げに適用することにより,広い範囲に利用できることを示した。
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