炭化珪素連続繊維強化窒化珪素基セラミック複合材について、繊維複合構造と静的機械特性に関連して高速衝突による動的破壊現象を定量化して軽量かつシールド機能性をもつ複合セラミック材料の設計指針の解明を目指す。以下に本年度の研究実績を記す。 (1)スペースデブリに見立てた直径1mmのアルミニウム合金球を効率よく射出できるように、現有加速装置の小型二段式軽ガス銃について高圧ヘリウム発生部の初期ヘリウム圧力と圧縮用ピストンの質量の調整により従来では秒速4kmまでの射出速度しか得られなかった火薬量において秒速5kmの射出速度を得ることが出来た。 (2)現有の複合構造のセラミック焼結体(直径140ミクロンの炭化珪素連続繊維が100ミクロン間隔で並んだシートを1層として、100ミクロンの層間隔で4層を窒化珪素マトリックス内に複合したもの。上下層で繊維方向を直交させた。放電焼結法により形状が縦横50ミリ、厚さ1ミリの複合焼結板として自作したもの。最大曲げ強度690MPa、破壊エネルギー8kJ/m^2)を用いた貫通破砕X線瞬間写真撮影を行い、秒速3.5kmまでの衝突速度域にて発生する個々の破片のサイズ、質量、速度、および破片群の空間質量分布と運動エネルギー分布を算出した。また、アルミニウムを母材とした繊維複合材料を作成するとともに破砕観測実験を行い、上記のセラミック複合材の破砕と定量的比較を行い、両者の特徴を明らかにした。 (3)上記の研究成果を関連の学会にて発表した。
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