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2001 年度 実績報告書

土壌腐植酸中の螢光成分の化学的特性と起源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12876013
研究機関弘前大学

研究代表者

青山 正和  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (60150950)

キーワード土壌腐植酸 / 蛍光成分 / 植物炭化物 / 蛍光スペクトル / 土壌生成環境
研究概要

植物炭化物が土壌腐植酸中の蛍光成分の給源となっているか否かを検討するため、実験室内で調製したススキ炭化物および野焼き跡地で採取した植物炭化物から酸化処理後に抽出した腐植酸をセファデツクスゲルクロマトグラフィーにより蛍光画分と腐植画分に分画し、3次元蛍光スペクトルを測定したところ、蛍光画分の蛍光強度は腐植画分と比べて高く、土壌腐植酸の蛍光画分と類似した蛍光特性を示した。さらに、土壌試料から炭化物を分離するとともに、腐植酸を抽出してサイズ排除クロマトグラフィーにより蛍光成分の量を推定し、土壌の炭化物量と腐植酸中の蛍光成分量との関係を検討したところ、炭化物が多い黒ボク土および褐色森林土の腐植酸で蛍光成分の量が多く、炭化物の少ない沖積土で蛍光成分が少ないことが認められた。同時に、植物遺体の分解過程において蛍光成分が生成するかどうかを検討するため、土壌に植物遺体を添加して培養し、抽出した腐植酸をサイズ排除クロマトグラフィーにかけるとともに3次元蛍光スペクトルの測定を行ったが、新たな腐植酸蛍光成分の生成は認められなかった。以上のことから、土壌腐植酸の蛍光成分は、植物遺体の腐植化過程では生成せず、植物炭化物がその給源となっていると考えられた。さらに、蛍光成分のサイズ排除クロマトグラムが土壌生成環境を解析する際のフィンガープリンティングとして利用できるかどうかを検討するため、土壌タイプの異なる各種の土壌試料から抽出した腐植酸についてサイズ排除クロマトグラフィーを行ったところ、黒ボク土、褐色森林土、沖積土では明らかに異なる溶離パターンを示し、土壌腐植酸の蛍光成分の組成が土壌生成環境により異なることが判明した。したがって、蛍光成分のサイズ排除クロマトグラムは土壌生成環境を解析する際のフィンガープリンティングとして利用可能であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Aoyama, M., Kumakura, k.: "Quantitative and qualitative changes of organic matter in an Ando soil induced by mineral fertilizer and cattle manure applications for 20 years"Soil Science and Plant Nutrition. 47・2. 241-252 (2001)

  • [文献書誌] Aoyama, M.: "Do humic substances exhibit fluorescence?"Proceedings of the 9th International Meeting of the International Humic Substances Society. 125-131 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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