研究概要 |
本研究はキャベツ,ダイコン等の^<15>N標識した食品廃棄物堆肥を土壌に施用したとき,食品廃棄物堆肥由来の窒素動態を^<15>Nの動きから検討し,土壌中での許容量を予測した。供試した堆肥は^<15>N標識ダイコン,^<15>N標識キャベツ堆肥(平成11年度作成),対照区として,^<15>N標識稲わら堆肥,^<15>Nなたね油かす区を設定した。これらは1/2000アールポットに中国産バーミキュライトSS(極細粒)を80%容量になるようにつめ込み,そこに,燐酸苦士ケイカル,Fe,B等を基肥として適量加える。窒素と加里は(^<15>NH_4)_2SO_4とK^<15>NO_3を交互に追肥し(いずれも,5又は10atom%^<15>N)て^<15>N標識キャベツ,^<15>N標識ダイコン等を栽培し,体全体の^<15>Natom%が同じものを作成する。これらを2cm位いに切り,60〜70%程度になるように水を加えて,30℃〜45℃に加温したビニールハウス内で数ヶ月かけて堆肥化する.キャベツ,ダイコンの未利用部分を中バケツにつめこみ加温した.生キャベツおよび生ダイコンからは約95%の水分が出てきた。残った部分を堆肥化した。今回の試験では食品廃棄物堆肥の対称区として,^<15>N稲わら堆肥区,^<15>Nなたね油かす区を設定した(平成10年度作成)。 供試作物を水稲にし,^<15>N稲わら堆肥,^<15>Nなたね油かす,^<15>Nダイコン堆肥,^<15>Nキャベツ堆肥を施用して,水稲栽培40日目の施用有機物由来のN吸収割合は^<15>N稲わら堆肥からの吸収割合は2.7%,^<15>Nなたね油かすからの吸収割合は10.6%,^<15>Nダイコン堆肥からの吸収割合は6.0%,^<15>Nキャベツ堆肥からの吸収割合は8.5%であった.この結果,ダイコン堆肥は稲わら堆肥となたね油かす堆肥の中間である。したがって,10アール当り1000kg施用が妥当である.キャベツ堆肥はなたね油かすの8割程度であるので、10アール当り700kg施用が妥当である.
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