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2000 年度 実績報告書

マウス野生集団に潜在する行動・代謝異常遺伝子の検索方法の有効性検証と新規系統開発

研究課題

研究課題/領域番号 12876060
研究機関名古屋大学

研究代表者

並河 鷹夫  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70111838)

研究分担者 大野 民生  名古屋大学, 医学部・附属実験動物施設, 助手 (90293620)
石川 明  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20211724)
海老原 史樹文  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50135331)
キーワード概日リズム / モデルマウス / 高血糖 / 遺伝子マッピング / 形態形成異常 / 高インシュリン血漿 / キャスタネウスマウス / QTL解析
研究概要

本研究は、新規な行動・代謝異常遺伝子を野生マウス個体を広く検索・発見する方法論とシステムによって、発見・開発したモデル動物や遺伝子を実験動物、家畜、ヒトを対象とするライフサイエンス研究の推進に資することを目的とする。東南アジア産の野生マウス(キャスタネウス・マウス)の捕獲個体群を育種素材とし、動物行動・代謝異常マウスの検索システムを利用して、有用形質・遺伝子の発掘と研究用有用モデルマウス系統の開発を試みた。その結果、概日リズム異常、高血糖・高インシュリン血漿、形態形成異常等の遺伝性研究用モデル候補マウスを発掘することができ、遺伝様式と病態の解析、染色体上へのマッピング、さらに系統の純化を進めている。これらの新規に開発しつつあるマウス系統あるいはラインは、人為誘発ではない、世界的に希少な遺伝性の有用研究用モデル動物として、共同研究者等の間で遺伝学的・生理学的解析が進められている。
1)内因性概日リズム消失マウスは、主働遺伝子を含む劣性遺伝形質であると推定され、この系統を純化すべくコンジェニック系として統育成を進めるとともに、種々の環境条件、特に異なる明暗サイクル等における同調能力の行動学的解析とQTL解析のための試料の蓄積を進めている。2)キャス・マウス×C57BL/6JのN2に由来する非肥満型NIDDM型マウスは病態解析の結果、高血糖と軽度の肥満を伴い、かつ高インシュリン血漿を呈する典型的なII型糖尿病、すなわち日本人に特に多いタイプの糖尿病のモデルとして注目されている。3)眼瞼閉鎖と重度の四肢掌融合異常を併発するマウス・ラインは遺伝様式の分析の結果、常染色体上の独立座位にある2対の劣性遺伝子によって支配されていると推定された。4)その他、新たなリズム・摂食行動異常のモデルマウス候補を発掘するため、他のアジア地域から得られた野生マウスを用いて試みている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Rea Victoria P.Anunciado: "Distribution of body weight, blood insulin and lipid levels in the SMXA recombinant inbred strains and the QTL analysis."Experimental Animals. 49(3). 217-224 (2000)

  • [文献書誌] Rea Victoria P.Anunciado: "Characterization of hyperinsulinemic recombinant inbred (RI) strains (SMXA-5 and SMXA-9) derived from normoinsulinemic SM/J and A/J mice."Experimental Animals. 49(2). 83-90 (2000)

  • [文献書誌] Rea Victoria P.Anunciado: "Developing a new model for non-insulin dependent diabetes mellitus (NIDDM) by using the Philippine wild mouse, Mus musculus castaneus."Experimental Animals. 49(1). 1-8 (2000)

  • [文献書誌] Tamio Ohno: "Fatty liver and hyperlipidemia in IDDM (insulin-dependent diabetes mellitus) of streptozotocin-treated shrews."Life Sciences. 66(2). 125-131 (2000)

  • [文献書誌] Masaki Wakamatsu: "Hereditary persistent right oviduct in the chicken PNP/DO line."Poultry Science. 79. 1075-1081 (2000)

  • [文献書誌] Takashi Yoshimura: "Molecular analysis of avian circadian clock genes."Molecular Brain Research. 78. 207-215 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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