研究概要 |
本研究の目的は、アンチセンスmRNAを発現させて特定の遺伝子の転写産物を翻訳レベルで抑制するアンチセンステクノロジー、および、特定の遺伝子転写産物を酵素活性をもったRNAを用いて分解するリボザイムテクノロジーを駆使して、遺伝子操作により、出生時性比が雌に傾斜するような、人工的家畜品種を作出するための基礎研究を、マウスをモデル動物として実施することにある。この目的を達成するために、トランスジェニックマウス作出において最も強力なpromoter/enhancer complexもつvector pCAGGS(阪大宮崎純一教授から供与)を用いて、アンチセンスSry、および抗Sryリボザイムを発現させたトランスジェニックマウスを作出して、その生殖巣、生殖器官における表現型の解析を試みている。また、最近polIIIブロモーターを用いてリボザイムを発現させ、好結果が得られているので(Taira et al.,1999)、polIIIブロモーターによって発現制御されたリボザイムコンストラクトの構築を行っている。初年度(2000年)にはpCAGGSベクターに導入したアンチセンスSryを導入したトランスジェニックマウスを作出したが,現在のところ、期待されたトランスジェニックマウスは得られておらず、表現型の解析には至っていない。抗Sryリボザイムについては、ヘアビン型、ハンマーヘッド型リボザイムをそれぞれ設計し、現在、pCAGGS系、polIII系について、コンストラクトの構築が完了しつつあるところである。
|