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2000 年度 実績報告書

小動物がん治療における光線力学療法に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12876069
研究機関北海道大学

研究代表者

藤永 徹  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (50181376)

研究分担者 奥村 正裕  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (80260397)
廉澤 剛  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (70214418)
覚知 豊次  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80113538)
キーワード小動物 / がん / 光線力学療法 / レーザー照射 / ポルフィリン / クロリン / 糖鎖 / 臓器親和性
研究概要

光線力学的治療(Photodynamic therapy;PDT)は腫瘍親和性光感受性物質を担癌動物へ投与し,光感受性物質が集積した腫瘍にレーザー光を照射することにより腫瘍組織を選択的に破壊する治療法である。副作用として日光過敏症が認められるため,これを抑えて,かつ腫瘍集積性に優れ,さらに治療効果の高い腫瘍親和性光感受性物質が求められている。
本年度は,まず薬剤のマウス体内分布を抽出法および高速液体クロマトグラフィー法を参考に薬剤と同一吸収波長による分光法あるいは紫外線惹起による蛍光測定法などの新規測定法を検討したが,現時点では簡易測定法の開発は困難であった。
次いで,ポルフィリンおよびクロリンの基本骨格に糖鎖(グルコース基またはガラクトース基)を連結した4種類の誘導体を,悪性黒色腫(B16F1)移植腫瘍モデルマウスへ投与し,種々の臓器における蛍光強度を経時的に測定することにより,連結する糖鎖と基本骨格の違いが光感受性物質の生体内動態に及ぼす影響を評価した。
その結果,糖鎖と基本骨格の差異によって,各臓器における薬物動態に明らかな違いが認められた。蛍光強度に関しては,グルコース基よりもガラクトース基を連結したポルフィリンがほとんどの臓器で高かった。蛍光強度の推移に関しては,ガラクトース基を連結した誘導体で,蛍光強度が一旦ピークを形成した後,再上昇する傾向が認められ,ガラクトース基は光感受性物質に臓器集積性を付加できる可能性があると思われた。また,一部の臓器では,基本骨格に由来すると思われる蛍光強度のピーク形成時間の差異が認められた。さらに,蛍光強度とその経時的推移を加味したAUC値を基にして各薬剤の臓器親和性について調べたところ,脳および骨格筋はいずれの薬剤においても親和性が低かったのに対し,肝臓,脾臓,小腸,皮膚および腫瘍では,親和性が高い傾向にあり,その親和性の順位は糖鎖と基本骨格の組み合わせによって異なっていた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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