土壌の重金属(カドミウム)汚染を効率良く吸収する浄化能力を高めた植物を作出することを最終的な目標として研究を進めている。本研究においては、カドミウムを蓄積無害化するタンパク質の発見をめざして、既知のこれらの重金属を効率良く蓄積するとされている植物から、重金属の蓄積に関する遺伝子をクローニングし、酵母・大腸菌などを用いて当該遺伝子を発現させ、その機能を確認することを進めた。その結果、重金属を良く吸収蓄積するカラシナ、および、ヘビノネゴザ(重金属高度汚染地に唯一生存可能)から目的とする遺伝子を獲得することに成功した。これらの遺伝子cDNAを酵母の発現ベクターに結合し、カドミウム感受性の酵母に導入し耐性能力の強化を調べたところ、元株に対して6倍のカドミウム濃度にも耐えることが判明した。
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