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2001 年度 実績報告書

ビタミンKの骨粗鬆症治療薬としての新しい作用メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12877025
研究機関東京大学

研究代表者

井上 聡  東京大学, 大学院・医学部・附属病院, 講師 (40251251)

キーワードビタミンK / 骨粗鬆症 / 遺伝子改変動物 / SNP / 納豆
研究概要

退行期骨粗鬆症は加齢にともなう骨量の減少が病的に元進した状態とそれに基づく腰背痛や骨折などの臨床症状からなる症候群である。本症はとくに高齢者の生活の質を著しく低下、病態の解明と治療法の確立が強く望まれている。最近ビタミンKが、骨粗鬆症治療薬として有効であることが日本独自の臨床研究により発見された。ビタミンKの作用は、(1)ビタミンK依存性蛋白を介する作用と、(2)骨への直接作用を含むそれ以外の作用から成り立っている。その作用を解明するためには、(1)と(2)の作用を分離する必要があり、その目的で(1)の作用を改変させたモデル動物を作製して解析する。昨年度はビタミンK依存性蛋白のマウスcDNAを、単離し同定した。このcDNAを用いて、マウスゲノム上の遺伝子を構造決定し、ビタミンK依存性蛋白遺伝子を欠失もしくは過剰発現させるためのDNAベクターを設計し、本年度には遺伝子改変を起こしたES細胞を得た。遺伝子改変動物が生まれたのち、それら動物を用いて、ビタミンKの骨作用を解析し、骨粗鬆症治療薬としての作用のメカニズムを明らかにしていく。一方、ビタミンKが豊富に含む納豆を食べることが骨粗鬆症によい影響を及ぼす可能性を疫学的に示し、Nutrition誌に出版した。さらに、SNPを活用して、ビタミンK作用経路に関連する遺伝子多型と骨量との相関を解析し遺伝子診断への応用を目指した。これらの研究は、骨粗鬆症におけるビタミンK作用の標的を解明するために有意義なものであり、診断/治療への応用の基盤となる。遺伝子改変動物モデルの骨代謝の生体内解析にくわえ、今後この動物由来の骨組織、骨細胞を用いてビタミンKの基本的作用メカニズムを解明してゆく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kaneki M: "Japanese fermented soybean food as the major determinant of the large geographic difference in circulating levels of vitamin K2. possible implications for hip-fracture risk"Nutrition. 17. 315-321 (2001)

  • [文献書誌] Ota N: "A nucleotide variant in the promoter region of the interleukin-6 gene associated with decreased bone mineral density"Journal of Human Genetics. 46. 267-272 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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