ヒトのリボソゾームタンパクはこれまでに79種類が判明しているが、このうちの約1/3にあたる26種類については、特異的な抗体を作製することができた。これらの抗体を用いてウエスタンブロッティングを行ったところ、特異的な単一バンドが検出された。これらの抗体は、今後のリボゾームタンパクの研究に有用であると考えられた。 得られた抗体を用い、各種ヒトがん細胞株における発現を検討し、S11とS30の2種類では、細胞株によって発現にかなりの変動が見られることを確認した。これらの違いがあるにもかかわらず、細胞内のリボゾームそのものの量的な変化は見られず、このことから、リボゾームタンパクには未知の機能があることが示唆された。 今年度は組織に対してこれらの抗体を用いた検討を加えることができなかったが、次年度に検討を加えたい。
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