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2000 年度 実績報告書

遺伝性非ポリポーシス大腸癌患者における胃癌・乳癌治療に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12877041
研究種目

萌芽的研究

研究機関(財)癌研究会

研究代表者

新井 正美  (財)癌研究会, 癌研究所, 研究員 (20232027)

研究分担者 柳澤 昭夫  (財)癌研究会, 癌研究所・病理部, 主任研究員 (30137963)
加藤 洋  (財)癌研究会, 癌研究所・病理部, 部長 (20010473)
武藤 徹一郎  (財)癌研究会, 癌研究所, 部長 (20110695)
キーワードHNPCC / 胃癌
研究概要

平成12年度は、遺伝性非ポリポーシス大腸癌(以下HNPCC)患者に発症した胃癌に関して次の2点につき検討した。1.HNPCC胃癌の臨床病理学的検討:過去25年間の大腸癌手術症例において、160例がJapanese Clinical Criteria(以下JCC)を満たしていた。160例中胃癌を合併していたのは18例であった。このうち、組織学的検索を行い得た14例を対象として、HNPCC胃癌の病理学的特徴を明らかにした。すなわち、1)半数の症例が胃内多発癌である。2)HNPCCにおける大腸癌では、粘液癌の頻度が高いことが知られているが、胃癌においても一般の胃癌集団に比べてその頻度は約3倍であった。さらに5例では大腸癌を同時に合併していること、また予後調査により胃癌による死亡例はないことを確認した。一方、HE染色の所見から腺窩上皮型の分化型胃癌が多いことから、その形質を決めるために免疫組織学的検討を施行した。その結果、17病変中14病変が胃型形質を示した。以前の検討で、HNPCC胃癌では非癌部背景粘膜は年齢の割に萎縮が強く、また6割の症例でH.Pyloriを認めたことが、本研究の動機であった。従って、H.Pylori除菌により腸上皮化生の進行を遅らせることができた場合に、固有胃腺から生じるとされる胃型の分化型胃癌の発生を抑えることができるのか、という別の問題にも遭遇することとなった。しかし、一方でミスマッチ修復タンパクの免疫組織化学では、施行し得た9例全例において、MSH2またはMLH1タンパクの発現異常が認められることから、JCCを満たす大腸癌多発家系において、胃癌の発症にもミスマッチ修復タンパクの異常が関与していることが明らかになった。2.臨床例の集積:この1年間でHNPCC3家系の生殖細胞系列異常を確認した。次年度以降も引き続き臨床例の集積を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 新井正美: "家族性胃癌"日本臨床. (発表予定). (2001)

  • [文献書誌] T.Muto: "Early colorectal cancer-concepts and clinical implications"World Journal of Surgery. 24・9. 1015 (2000)

  • [文献書誌] 加藤洋: "大腸癌の病理組織診断をめぐって-日・欧米の比較-"臨床医. 26・7. 103-106 (2000)

  • [文献書誌] Y.Ninomiya: "Unrecognizable Intra mucosal Spread of Diffuse-Type Mvcosal Gastric Carcinomas of Less than 20mm in Size"Endoscopy. 32. 604-608 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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