研究課題/領域番号 |
12877049
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
加藤 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241084)
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研究分担者 |
今西 健一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20132920)
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
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キーワード | NTED / TSST-1 / MRSA / TCRVβ2 |
研究概要 |
我々は、新生児におけるMRSA感染症(NTED)に伴う諸症状の発症機序を解明し、予防及び治療法を確立するために、当大学病院の新生児室及び全国の幾つかの新生児科病棟と共同で、患児におけるスーパー抗原応答性T細胞の運命やスーパー抗原刺激に対する応答性を解析した。その結果以下の事実を解明した。 1)NTED患児及び、健康MRSA保菌児血清中の抗TSST-1抗体の濃度を比較した。その結果NTED患児の方が抗TSST-1抗体の上昇が無く健康MRSA保菌児では上昇が見られた。この結果は健康MRSA保菌児のおいては、抗TSST-1抗体がNTEDの発症を抑制していることを示唆している。従って抗TSST-1抗体は治療及び予防に使用可能であると考えられる。現在、力化の高い抗TSST-1抗体の作成を検討している。 2)NTED患児、健康MRSA保菌児から分離したMRSAのTSST-1産生について調べたところすべてのMRSAはTSST-1を産生していた。ほとんどすべてのMRSAがTSST-1を産生していることからメチシリン耐性遺伝子とTSST-1遺伝子との関係を検索中である。 3)NTED患児のTSST-1応答性TCRV β2陽性細胞の変動を調べたところ急性期後数日で正常値以下にその割合が減少することがわかった。これは、強い抗原刺激により活性化されたT細胞のアポトーシスと考えられるが、この現象状態が数ヶ月持続することから、減少期間中の免疫応答の状態及び、成長後の免疫応答への影響等興味が持たれる。 以上の結果をふまえて、NTEDが新生児の生体に及ぼす影響を詳細に研究するとともに、ブドウ球菌の産生する各種の外毒素の作用の解明に関する研究も同時に行っている。
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