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2001 年度 実績報告書

サイクロスポリンAとFK506の新たな標的

研究課題

研究課題/領域番号 12877056
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

小安 重夫  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)

研究分担者 松田 達志  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00286444)
キーワード免疫抑制剤 / カルシニューリン / JNK / p38 / インターロイキン2 / NF-AT
研究概要

免疫抑制剤であるサイクロスポリンAやFK506はセリン・スレオニン脱リン酸化酵素であるカルシニューリンの酵素活性を抑制する。従来カルシニューリンの抑制のみがサイクロスポリンAやFK506の作用機序と考えられてきたがが、我々はT細胞受容体とCD28を介して活性化されるMAPキナーゼファミリーのJNKやp38の活性化もサイクロスポリンAやFK506によって抑制されることを見いだし、T細胞活性化に特異的なJNKやp38の活性化経路がサイクロスポリンAやFK506の第2の標的であることを示唆する結果を得た。そこで、この経路の分子的基盤を明らかにするために、カルシニューリンの活性化経路を恒常的に活性化し、JNKやp38の活性化経路のみを検討できる系の開発した。カルシニューリンの基質でありかつT細胞活性化の最終標的遺伝子の一つであるインターロイキン2(IL-2)の転写に必須のNF-ATタンパク質の恒常活性型変異体を作製したところ、変異体は恒常的に核内にとどまり、さらに転写活性も持つことが明らかになった。恒常活性型NF-ATを発現するT細胞に刺激を与えてIL-2プロモーターの活性化を検討したところ、やはりサイクロスポリンAやFK506がJNKやp38の活性化ならびにIL-2プロモーターの活性化を阻害することが明らかになった。これらの実験結果はカルシニューリン/NF-AT経路とは独立にサイクロスポリンAやFK506の標的が存在することを強く示す。この方法を応用することによって、カルシニューリン以外の標的の阻害によってのみプロモーター活性が抑制されるアッセイ系が樹立された。このアッセイ系を利用することによって、現在さらに第2の標的を同定すべく検討を重ねている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sano, M., et al.: "ERK and p38 MAPK, but not NF-κB, are critically involved in reactive oxygen species-mediated induction of IL-6 by angiotensin II in cardiac fibroblasts"Circulation Research. 81. 661-669 (2001)

  • [文献書誌] Matsuda, S., et al.: "Two distinct action mechanisms of immunophilin-ligand complexes for the blockade of T cell activation"EMBO Reports. 1. 428-434 (2000)

  • [文献書誌] Tsuchihashi, N., et al.: "Two YxxL segments of a single immunoreceptor tyrosine-based activation motif in the CD3ζ molecule differentially activate calcium mobilization and mitogen-activated protein kinase family pathways"European Journal of Immunology. 30. 1785-1793 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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