研究課題/領域番号 |
12877062
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荻野 景規 金沢大学, 医学部, 教授 (70204104)
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研究分担者 |
中島 円 金沢大学, 医学部, 助手 (10324071)
長瀬 博文 金沢大学, 医学部, 講師 (00251918)
中村 裕之 金沢大学, 医学部, 助教授 (30231476)
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キーワード | 胃・小腸粘膜 / ニトロチロシン / 好酸球 / 一酸化窒素(NO) / NO合成酵素 |
研究概要 |
正常ヒト及びラットの胃・小腸粘膜における抗ニトロチロシン抗体を用いた蛍光免疫組織化学的及び酵素免疫組織化学的方法により、その染色局在を検討した結果、蛍光抗体法で染色される細胞群も酵素免疫法により染色される細胞群も好酸球であり、粘膜固有層に局在がみられた。 しかしながら、蛍光法では、ニトロチロシンをアミノチロシンに還元する還元剤で処理しても、蛍光の消失が認められないのに対して、酵素免疫法では、特殊な固定により染色性は、還元剤処理により消失し、酵素免疫法による染色の重要性が認識された。また、従来の固定法には、染色動態の点から、多くの問題があることが判明し、ニトロチロシンの胃粘膜病変における意義の再検討の必要性が認められた。 蛍光法では、ラットの生後2周齢ですでに、陽性細胞の局在が見られる。NO合成酵素抗体を用いた検討では、胃・小腸粘膜におけるNO合成酵素の陽性細胞と抗ニトロチロシン陽性細胞をほぼ一致していた。すなわち、好酸球がNOを産生していることが示唆された。NO合成酵素の欠損マウスでは、ニトロチロシン陽性細胞が細胞数は少ないが認められた。このことより、胃・小腸粘膜において好酸球由来のNOの産生が粘膜防禦だけでなく、粘膜のアポトーシスをも調節している可能性が示唆された。 好酸球及び胃・小腸粘膜可溶かホモジネートをNO2-とH2O2でニトロ化し、SDS-PAGE、Western blotでニトロ化蛋白のN末端アミノ酸配列を同定すると、核転写に関係する重要な蛋白質が著名にニトロ化されることが判明した。
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