ソーシャル・サポートのストレス緩和効果を検討するため、共同研究者の萩原らは信号検出分析法(以下SDAと略称)を用いた、ソーシャル・サポートによるストレス緩和効果の検討を提唱した。この方法は種種の優れた特徴を持つが、分析方法としては探索的である。そこで、目的変数や説明変数をすべて連続変数で把握し、従来の方法(重回帰分析、分散分析)とSDAによる方法を比較し、SDAの長所と短所を確定させる必要がある。 本研究の初年度にあたる2000年度は、萩原が中心になって教室の大学院生と一緒に、関連文献のレビューを行い、職場ストレス、ストレス反応、職域におけるソーシャル・サポートの評価に関する内外のテスト(battery)を広く収集し、信頼性や妥当性を検討した。また、採用する予定の質問票を日本語に翻訳し、貿問票(案)を作成し、約100名程度を対象にパイロット・スタディを行い、表現や内容を調整しながら質問票を確定した。 また、対象者は複数の製造業の事務系の従業員を約1000名予定している。調査に協力を得られそうな会社として数社が候補に上っている。実施時期が平12年度に収まらず、平成13年度にずれ込む予定である。また、事業所の数も全国にまたがった5〜6個所に上る見込みである。
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