研究概要 |
本研究は、telomere seeding現象がテロメラーゼ活性に依存していることを確認するために、1.テロメラーゼ陰性である初代線維芽培養細胞にhTERT遺伝子を導入しテロメラーゼ活性を導入した場合、本現象がおきるか、2.テロメラーゼ活性陽性HeLa細胞と、hTERTに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドでテロメラーゼ活性を抑制したHeLa細胞での比較、3.HeLa細胞をテロメラーゼ阻害剤で処理した群と未処理群との比較、をすることを目的としている。平成12年度はム各種ベクターとアンチセンスオリゴヌクレオチドの作製を行った。hTERT遺伝子導入ベクターの構築 : hTERT遺伝子のfull length cDNAを、HeLa細胞由来m-RNAよりRT-PCRと5,-RACE法を用いてクローニングした。クローンをシークエンシングにて確認後、発現ベクターpZeoSV(INVITROGEN)にサブクローニングした。hTERT遺伝子アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-ODN)の作製:翻訳開始部位15-20merを中心にして5種類のAS-ODNを作製した(AS-ODN1-5)。HeLa細胞を用いて、AS-ODN1-5のうちで最も阻害するAS-ODN3を今後の検討に用いることとした。Telomere seedingベクターの作製:テロメア配列をHeLa細胞のゲノムライブラリーよりクローニングし、pSP73(PROMEGA)に挿入するテロメア配列をクローニングし挿入した。 上記ベクターを用いて、テロメラーゼ陰性である初代線維芽細胞にhTERT遺伝子を導入し安定発現クローンを得た。この細胞にtelomere seedingが起こるか、検討したところtelomere seedingは確認できなかった。培養細胞dependentな現象であることを考え、HeLa細胞を含むtelomerease陽性培養細胞7種類で再度、telomere seedingがおこるか検討したが、やはり起こらなかった。
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