HLA-A*0201拘束性CTLについては、HCVに対するCTLエピトープが公表されており、このエピトープを用いてテトラマーを作成しCTL活性の検討を行った。末梢血単核球を既報のHCVエピトープ(コア領域a.a.132-140 : DLMGYIPLV : HCV-1株アミノ酸配列に基づく)とIL-2で刺激することによってCTL細胞を作成した。この細胞は、E : T比10 : 1で^<51>Cr放出試験を行った時に34.1%の細胞障害活性を示し、フローサイトメトリーでのテトラマー陽性細胞は16%であった。そこでインターフェロン治療著効のC型慢性肝炎5例(HLA-A*0201陽性5例)の末梢血単核球について検討した。この結果、インターフェロンによるHCV消失後12〜45ヶ月後の末梢血において、HCVコア抗体価の低下にもかかわらず、HCV特異的なCTLは残存することが確認された。 次にHLA-A*2402については、HCV特異的なCTLの報告が無く、CTLエピトープの決定を初めに検討をすることにした。このためにHCV由来9-ペプチドLYGNEGLGW(core85-93)、GFADLMGYI(core129-137)、CYSIEPLDL(NS5A)を用いて、HLA-A*2402とβ2-microglobulinとの複合体を作成し、マイクロタイタープレートに固相化した後にCD8陽性細胞と反応させInterferon-γの産生を検討することによって、CTL活性を検討した。この結果、インターフェロン治療著効の9症例のうち5症例で、これらのペプチド・HLA複合体に対する反応が確認されたのに対して、無効例10例では反応が見られなかった。また、反応した症例では複数のペプチドに対して反応が見られ、これらのペプチドがCTLエピトープである可能性が示唆された。現在、これらのペプチドを用いてCTL細胞を作成中である。
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