研究課題/領域番号 |
12877100
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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研究分担者 |
大沢 裕 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80246511)
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30330591)
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キーワード | 若年性パーキンソン病 / パーキン(parkin) / アポトーシス |
研究概要 |
Parkinは常染色体劣性若年性パーキンソン症候群(AR-JP)の原因タンパクである。Parkinの生理機能の解明はパーキンソン病の病態理解、すなわち黒質ドーパミンニューロンの選択的細胞死の分子メカニズムを知る上で重要である。最近、parkinがユビキチンリガーゼ活性を持ち、ユビキチン-プロテアソーム系のタンパク分解にかかわることが示された。われわれは、full-lengthのparkinが神経細胞や筋細胞など寿命の長い細胞に優位に発現し、一方リンパ球など寿命の短い細胞ではexon3-5を欠くtranscriptが検出されたことから、parkinはアポトーシス抑制タンパクであるとの作業仮説を考えた。 まずU937培養細胞系を用いてアポトーシス誘発によるparkinの発現動態の解析を行ったが、parkinの発現量やsplicingパターンに明らかな変化はみられなかった。Parkin遺伝子変異によるloss of functionがパーキンソン病の発症に関与すると考えられるので、本年度はCOS7やPC12などの培養細胞系にparkinの合成アンチセンスオリゴヌクレオチドを添加してparkin mRNA発現を抑制することで、アポトーシスが誘発されるか検討した。アポトーシスの検出としては色素排除法およびヘキスト試薬染色による形態学的検出と電気泳動によるDNA断片化の検出を指標としたが、いずれの方法でも添加後72時間までの段階でアポトーシスを確認することはできなかった。こうした結果より、parkinのloss of functionが細胞機能に影響を及ぼすのはもう少し長いスパンを要する可能性が示唆された。
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