研究概要 |
1)高力価VZVウイルス液作成:VZV河口株と岡親株をMRC-5へ接種。CPEが最高に達した時点で感染細胞をharvestし、超音波破砕。各ストックウイルス液についてウイルス量を測定した後-80℃へ保存。以下の実験に使用した。 2)メンブレンからの効率的なVZV分離法:ミリポアフィルター用のメンブレンを1cm四方に切った物を用意し、1)で作製したVZVウイルス液の希釈系列を作り、それぞれのウイルス液をメンブレンへ塗布。メンブレンをそのままMRC-5に接触させ2時間吸着する方法と、メンブレンを細切した後トリプシン処理したMRC-5と混ぜ遠心(2,000rpm×30分)しdishへまく方法を比較。後者の方が、約10倍感度が優れていることが判明した。 3)ウイルス液を噴霧したメンブレンからのVZV分離:1)で作製したウイルス液の希釈系列を作り、ウルトラネブライザーで密閉容器内へ噴霧。噴霧直後に容器内の空気をエアサンプラーで採取し、ミリポアフィルターを通した。フィルター内のメンブレンを直ちに取り出し、2)で検討した2種類のウイルス分離方法に従いMRC-5へ接種。現在進行中。 4)VZVゲノムの定量的評価法開発:VZVのgBをコードする遺伝子領域にプライマーとプローブを設定。ウイルスゲノム数定量評価のための標準曲線を作るため、PCR産物をTAクローニング法にてサブクローニングし、プラスミドの希釈系列を作製。次に、そのプラスミドの希釈系列をテンプレートとして、ABI7700を使用してリアルタイムPCR法を実施。10コピーまで検出可能なことを確認した。さらにVZVウイルス液以外にHSV-1、HSV-2、CMV、EBV、HHV-6、HHV-7、HHV-8を加えた8種類のヒトヘルペスウイルスについてリアルタイムPCRを実施。VZVのgBのみを特異的に増幅することを確認した。
|