研究課題/領域番号 |
12877135
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 章吾 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60158194)
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研究分担者 |
高井 良尋 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (50107653)
松木 英敏 東北大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70134020)
荒井 賢一 東北大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40006268)
根本 建二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10208291)
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キーワード | 癌 / マイクロロボット / 放射線療法 / 超高温温熱療法 / 基礎研究 |
研究概要 |
私どもの用いるマイクロロボットは生体外から印加する磁場を駆動源とする最小でミリサイズの自立運動可能な磁気マイクロ・アクチュエータと、その位置を生体外で高精度・高感度で検出するセンサよりなるもので、生体内での医薬品の搬送や生体組織の採取、生体内情報発信などを目的として開発されている。私どもはこのマイクロロボットを用いて、癌組織の中でも特に放射線抵抗性である、壊死巣周辺の低酸素細胞領域を超高温で凝固、破壊する方法を考案してきた。 最近の共同研究で、マイクロロボットの素材の性状および大きさを変えることによりマイクロ波印加により任意の温度に組織を加温し、標的組織を高温で凝固壊死させることが可能であることが判明した。本ロボットを用いての生体内加温の準備は未だ整っていないため、本年度はラジオ波焼灼術用のRTCジェネレータ(RF 2000B,Boston scientific)とその穿刺針を使用して、ウサギ肝の超高温加温後の変化を組織学的に検討した。使用したウサギは22羽で穿刺針先端を100℃以上に加温し、3(n=6)、14(n=6)、30(n=6)、90(n=4)日後に屠刹し組織の変化を検討した。3目の組織では病変部と考えられる薄い繊維性被膜で覆われた類円型の領域を見とめた。病変部の径の平均は20mmでマクロ所見では中心部分は赤褐色調を呈し、辺縁部は乳白色調であった。中心部分の径の平均は12mmで熱凝固時の水分気化によると考えられる裂隙を伴っていた。HE染色で中心部分の肝細胞は核の消失ないし高度の濃染・凝縮が見られたが、辺縁部分では細胞・核の形態は保たれていた。加温部以外の正常肝に変化はなく、この程度の範囲の加温であれば生体に問題ないことが判明した。
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