研究概要 |
ラジオガイド下手術中に用いることができる超小型で手持ち可能な核医学診断装置の開発を基礎的に試みた. 本年度は,簡易ガンマ線測定器(プローブ型のサーベイメータ,Navigatior)の空間(水平方向,方位方向)分解能,検出器の感度および測定の直線性を評価した.実験には,0.01μCiから100μCiまでのTc-99m溶液を封入した直径1mmのガラスキャピラィ管をファントムとして準備し,プローブ型のサーベイメータで測定した.その結果,水平方向の分解能は3mm,感度は23cps/μCi程度であった.また,測定感度の直線性は約40μCiまで保たれていた.ただし,0.5μCi以下では,測定値が著しく統計変動を受けることが判明した.したがって,臨床例のおけるリンパ節への放射性医薬品の移行が0.1%としても,精度良く測定するには,10mCi程度の放射能の投与が必要と考えられた. ファントムおよび臨床例ので検討に基づき,検出素子としてNaI(Tl),CsI(Tl),CZTならびにCdTe単体での感度および直線性などの特性と生産性を総合的に比較評価し,今後の研究目的に合う素子として,CZTを選択した.
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