研究概要 |
【目的】Gadolinium-DTPA(gadopentetate dimegulumine)を用いた気道MR imagingのための新たな造影剤の開発と描出能及び副作用に関する基礎的検討を行う。 【対象及び方法】対象はヨークシャー種豚である。種々の濃度(50,100,200,300mmol Gd/L)のGadolinium-DTPA(gadopentetate dimegulumine)をmannitol(0,10mg/mL)および界面活性剤(0,2mg/mL)と前記の混合比にて混合し,換気シンチグラフィーを撮像後,ネブライザーにて吸入させた。 吸入直後から2時間1.5T MR装置でturbo spin-echo法とturbo gradient-echo法にてMR画像を経時的に撮像する。また,同時に高分解能CTを撮像するとともに,撮像後に摘出肺の進展固定肺標本を作製し,病理学的に検討する。 【結果】Gadolinium-DTPA100mmol Gd/L以上を吸入させたとき,MRIにて気腔の描出が可能であった。mannitolおよび界面活性剤にて,薬剤の剤型の安定化を図ったものは,mannitolおよび界面活性剤を加えなかったものに比して,有意にS/N比の改善を認めた。turbo gradient-echo法を用いた場合,turbo spin-echo法を用いた場合よりも,低濃度で描出可能であり,従来の換気シンチグラフィーによく一致した。また,肺における炎症性変化は100mmol Gd/Lでは認められなかったものの,Gadolinium-DTPAの濃度が上昇するにつれて,増加傾向を示した。肺の炎症性変化が上昇するにつれて,高分解能CTにおける肺野の濃度上昇も認められた。 【結論】気道MR imagingのためのGadolinium-DTPAを用いた新たな造影剤は気道MRIの画像化に有用であることが示唆された.
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