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2000 年度 実績報告書

遺伝子治療の有効性を評価するためのジーンイメージングの開発

研究課題

研究課題/領域番号 12877144
研究種目

萌芽的研究

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

久保 敦司  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051771)

研究分担者 中村 佳代子  慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20124480)
キーワード遺伝子治療 / ジーンイメージング / Tc-99m-MIBI / mdr / 多剤耐性 / アンチセンス / P-糖蛋白質
研究概要

本研究はRI標識した遺伝子、RI標識したキャリヤー物質、遺伝子発現の蛋白質を核医学検査的に追跡して、遺伝子治療の評価を行う「ジーンイメージング」を確立する事を目的としている。初年度は遺伝子の安定な標識方法、遺伝子を発現して生じる蛋白質のイメージング方法を開発することを計画し、以下の結果を得た。
1.多剤耐性に関する遺伝子mdrをヒト類上皮癌KB-31に導入して、KB-G2細胞を作成し、KB-G2がmdrの発現蛋白質、P-糖蛋白質を発現している事を抗P-糖蛋白質モノクローナル抗体を用いて確認した。
2.KB-G2が発現しているP-糖蛋白質が機能を有しているかを抗癌剤存在下での細胞毒性とTc-99m-MIBIを用いて検討し、高い濃度での抗癌剤でもKB-G2細胞が死なない事(親株のKB-31と比較して)、Tc-99m-MIBIが細胞内部から流出する事で確認した。
3.KB-31とKB-G2細胞とをそれぞれ、片方の大腿部に植え付けたヌードマウスにTc-99m-MIBIを投与した結果、Tc-99mはKB-31に集積して、KB-G2には集積しなかった事から、mdrの発現をin vivoで検討できる事を確認した。
4.mdrに対するアンチセンス効果を期待して、オリゴヌクレオチドを委託合成し、KB-G2細胞への導入を試みた。導入細胞のP-糖蛋白質発現を上記の方法にて検討した結果、30%程度の回復が認められた。
5.KB-G2細胞を大腿部に植え付けたヌードマウスの腫瘍部位に直接上記のオリゴヌクレオチドを投与した後、Tc-99m-MIBIを投与した結果、10%程度の回復が認められた。
以上の事から、投入したオリゴヌクレオチドのアンチセンス効果は認められたが、その効果は小さく、効率の高い導入方法、または、他のオリゴヌクレオチドが今後の検討事項と考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 中村佳代子: "遺伝子と臨床核医学(3):PCR、プライマー、アニーリング"臨床核医学. 33(3). 44-45 (2000)

  • [文献書誌] 中村佳代子: "遺伝子と臨床核医学(4):DNA、ヒストン、クロマチン、ゲノム"臨床核医学. 33(5). 72-73 (2000)

  • [文献書誌] 藤井博史 他: "センチネルリンパ節生検におけるラジオアイソトープ使用の安全性"消化器外科. 23(11). 1683-1688 (2000)

  • [文献書誌] 藤井博史 他: "乳癌の画像診断と放射線治療のすべて(核医学)"臨床放射線. 45(11). 1315-1322 (2000)

  • [文献書誌] M.Tachibana, et al: "Autocrine growth promotion by multiple hematopoietic growth factors in the established renal cell carcinoma line KU-19-20"Cell Tissue Res.. 301. 353-367 (2000)

  • [文献書誌] H Fujii, et al: "Outlining the body contours with scattered photons in lymphoscintigraphy for sentinel nodes"Ann Nucl Med. 14(5). 401-404 (2000)

  • [文献書誌] 久保敦司,木下文雄: "核医学ノート 改訂第4版"金原出版. 345 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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