研究課題/領域番号 |
12877174
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 博之 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70292026)
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研究分担者 |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
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キーワード | 遺伝子治療 / 臓器移植 / CD40Ig / ラット / 肝臓 / 心臓 / costimulatory pathway |
研究概要 |
1.ラット肝移植 ACI(RT1^<av1>)ラットをドナー、LEW(RT1^1)ラットをレシピエントとし、同所性肝移植を行った。無治療群(G-I)、コントロールベクター(AdLacZ)1x10^9pfu投与群(G-II)、CD40Ig遺伝子組込みアデノウイルスベクター(AdCD40Ig)1x10^8pfu投与群(G-III)、5x10^8pfu投与群(G-IV)、1x10^9pfu投与群(G-V)を作成し、グラフト生着日数及び血中CD40Ig濃度(ELISA)を検討した。なお、各ベクターは移植直後に陰茎静脈より単回投与し、各群n=6とした。グラフト生着日数(中央値)は、G-I及びG-IIで10日と9.5日に対し、G-III、G-IV、G-Vではそれぞれ10日、13日、>100日でAdCD40Igにより用量依存性にグラフト生着日数が延長し、1x10^9pfu投与群(G-V)では全例が長期生存した。移植第4日目の血中CD40Ig濃度(mean±SD)は、G-III、G-IV、G-Vでそれぞれ10.8±2.0μg/ml、24.5±5.1μg/ml、1240±708μg/ml、で用量依存性が認められた。更に、G-Vの長期生存例においてACIラットの皮膚グラフトは受容されたがthird partyであるBN(RT1^n)ラットのものは全て拒絶され、CD40Ig遺伝子治療により免疫寛容の誘導が示唆された。 2.ラット心移植 ACI(RT1^<av1>)ラットをドナー、LEW(RT1^1)ラットをレシピエントとし、異所性心移植を行った。無治療群(G-I)、AdLacZ 1x10^9pfu投与群(G-II)、AdCD40Ig 1x10^9pfu投与群(G-III)を作成し、グラフト生着日数を検討した。なお、各ベクターは移植直後に陰茎静脈より単回投与し、各群n=6とした。各群のグラフト生着日数(中央値)は、G-I:6日、G-II:6.5日、G-III:28.5日であり、AdCD40Ig投与により移植心生着期間の延長及び6例中2例が100日以上長期生着した。
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