研究課題/領域番号 |
12877178
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 英昭 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30134555)
|
研究分担者 |
小倉 信 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50185568)
上寺 祐之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80191914)
鎮西 美栄子 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30165097)
|
キーワード | 好中球 / 低栄養 / proboptics / 腹膜炎 / サイトカイン / 接着分子 / 腹腔内滲出細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、外科侵襲時の腸管免疫系および全身の生体防御に与えるprobioticsの効果を明らかにすることにある。 以前、我々は、食餌摂敢制限マウス腹膜炎モデルを用いて、重度食餌摂取制限下の敗血症時生存率低下の背景に、末梢血好中球上接着分子β2-integrin発現の低下・腹腔内常在マクロファージのサイトカイン産生能の低下があることを報告した。抵栄養に伴うこのような生体防御能砥下を改善する治療法開発は術後感染症の発生抑制につながると期待される。Probioticsであるビフィズス菌やその培養液抽出物(Bifidobadterium longum culture condensate : BCC)経口投与が宿主の免疫能を増強するという報告がある。 そこで、BCC経口投与による宿主の免疫能の増強劫果とその機序を明らかにするために、以下の2つの検討を行った。 1)BCCの経口投与が食館摂取制限下グリコーゲン誘導マウス腹膜炎モデルでの流血中の好中球上の接着分子発現量・局所のサイトカイン濃度・腹腔内滲出細胞数の動態に及ぼす影響について検討した。 2)BCCの経口投与が食餌摂取制限マウス敗血症モデルの転帰に及ぼす影響について検討した。 その結果、 1)食餌摂取制限下グリコーゲン誘導マウス腹膜炎モデルにおいて、BCCの経口投与により、流血中の好中球上の接着分子の発現・炎症惹起後2時間での炎症局所サイトカイン濃度が増強し、炎症惹起後4時間での腹腔内湊出細胞数、特に腹腔内滲出好中球数が増加した。 2)食餌摂取制限下マウス敗血症モデルにおいて、BCCの経口投与により、E.coli腹腔内投与後6時間での敗血症の臨床徴侯の出現率は低下し、E.coli腹腔内投与後の生存は、有意ではないものの改善し、盲腸結紮穿刺後の生存は、有意ではないものの改善 すなわち、BCC経口投与は、食餌摂取制限による免疫能低下を一部改善した。 Probiotics投与は、貧食細胞の動員を修飾することを通じて、宿主の免疫能の増強に役立つと考えられた。
|