研究課題/領域番号 |
12877179
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
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研究分担者 |
前田 腎人 京都大学, 医学研究科, 助手 (10314220)
細谷 亮 京都大学, 医学研究科, 講師 (00139908)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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キーワード | 膵・消化管内分泌腫瘍 / カルシウム感受性受容体 / 膵β細胞 |
研究概要 |
1)ヒト・内分泌腫瘍株の樹立について検討をおこなった。ガストリノーマ、インスリノーマの株化とその他の膵・消化管内分泌腫瘍株の樹立について検討した。患者さんよりインフォームドコンセントをとり切除標本より培養細胞株とヌードマウス継代可能株の樹立を試みた。現在のところ半年以上に渡る数代の継代においても、ホルモン分泌を認めるガストリノーマ株を確立した。この継代可能なガストリノーマ組織からin vitroにおけるガストリノーマ細胞株の樹立を現在試みている。また、これとは別にin vitroで培養を試みている系においても半年以上ガストリンの分泌を認める内分泌腫瘍細胞を得ており、この細胞の継代培養についても試みている。インスリノーマにおいても同様の手技にて細胞株の樹立が可能か検討をおこなっている。しかし、インスリノーマでは現在のところin vitroでの長期培養は可能であるものの、マウスを用いた実験系においては継代可能な組織を得るには至っていない。 2)ヒト・正常膵を用いたカルシウム感受性受容体(CaR)及びその遺伝子の発現については免疫染色及びRT-PCRにおいてその発現及び局在を明らかにした。ヒト・膵ラ島は得難いのでラット膵ラ島にもCaRの発現があることを確認した上でラット・膵ラ島を用いて正常β細胞とインスリノーマにおけるCaRのホルモン分泌に関する機能の違いを検討した。そして、正常膵ラ島でもインスリノーマと同じくCaRを介するインスリン分泌を認めた。しかし、細胞外カルシウム濃度変化に対する細胞質内カルシウム濃度の変化は正常β細胞とインスリノーマ細胞との間に差があることが明らかとなり、現在その解明を行っている。
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