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2000 年度 実績報告書

多彩な遺伝子異常に対応可能な風邪ウイルスを用いた癌の治療

研究課題

研究課題/領域番号 12877187
研究機関東北大学

研究代表者

砂村 眞琴  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (10201584)

研究分担者 渋谷 和彦  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70260429)
武田 和憲  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20171639)
松野 正紀  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004737)
濱田 洋文  札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
島村 弘宗  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70312585)
キーワードアデノウイルス / 遺伝子治療 / 癌 / P53遺伝子 / RB遺伝子
研究概要

【背景】アデノウイルスベクターを用いた癌の遺伝子治療では、いかに多くの腫瘍細胞にウイルス感染を誘導できるかが問題となる。解決策の一つとして制限増殖型のE1B55kを欠失した変異アデノウイルス(ONYX-015)が開発され、その有用性が既に報告されている。しかし、ONYX-015はP53経路に異常のある癌細胞でのみ有効で、全ての癌に適応があるとはいえない。癌細胞では、p53経路またはRB経路に異常が存在するため、RB経路を標的とする治療戦略も有用と考える。
【目的】早期発現遺伝子E1Aに変異が存在すると、アデノウイルスはRB/E2F解離が誘導できずに正常細胞では増殖しない。しかし、RB経路に異常が存在する癌においてはRBからE2Fが遊離するため、このE1A変異アデノウイルスは増殖可能となり殺腫瘍効果を示すことが報告されている。私の研究ではE1Aに変異の存在するアデノウイルス(AxdAdB-3)を作製し、膵癌に対する抗腫瘍効果を検討している。
【現在までの結果】1)cytopathic effect assayでヒト膵癌細胞8株(PK-1,PK-8,AsPC-1,PANC-1,BxPC-3,PCl-19,PCl-35,MiaPaCa-2)の膵癌細胞に対する殺細胞効果が認められ、ヒト正常線維芽細胞Wl-38では認められなかった。2)in vitroでのウイルス増殖能、感染効率はhexon proteinを用いた免疫染色にてONYXと同程度であることが確認された。3)アポトーシス誘導能はflow CytometoryにてONYXよりも強いことが確認された。4)SCIDマウスPCモデルで抗腫瘍効果はONYX-015よりも強いことが確認された。(n=10per groups)
【まとめ】我々の戦略が正しいことがこれまでの実験結果から明らかとなった。癌の性格に関わらず抗腫瘍作用が得られる治療法が確立できる可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 砂村眞琴: "膵癌に対する遺伝子治療法の開発"日本臨床59:98-103,2001. 59・1. 98-103 (2001)

  • [文献書誌] Sunamura M: "Restricted Replication-Competent Adenovirus : a Novel Strategy for Cancer Gene Therapy"Int J Clin Oncol. 5・7. 147-152 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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