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2001 年度 実績報告書

T-cell receptor遺伝子再構成解析モデルとしての胸腺腫内環境の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12877200
研究機関東京大学

研究代表者

中島 淳  東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90188954)

研究分担者 竹内 恵理保  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70312311)
田中 真人  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60302684)
キーワード胸線腫 / 腫瘍内リンパ球 / T細胞レセプター / 遺伝子再構成 / フローサイトメトリー / TCR-β鎖 / TCR-γ鎖 / 腫瘍悪性度
研究概要

【背景】本研究の目的は胸腺腫腫瘍内リンパ球(TIL)の分化度・T細胞レセプター(TCR)遺伝子再構成を解析することにある。昨年度はTILの中にフローサイトメトリー(FCM)上認められている幼弱T系リンパ球においてTCR遺伝子再構成の存在を見出した。今年度はさらにこの減少について詳細な検討を加えた。
【方法】ヒト胸腺腫中のTILについてDNAを抽出、サザンプロットハイプリダイゼーション法を行った。制限酵素はBAM-HI, ECO-RV(β), ECO-RI(γ), HIND IIIとし、TCR-βC, J region、TCR-γJ regionおよびTCR-δJ regionをプローブとして遺伝子再構成バンドを検出した。これと同時にCD4,8の発現をフローサイトメトリー(FCM)で測定し、病理組織学的特徴と併せて検討した。
【結果】Stage I(encapsulated)(N=6),Stage III(invasive)(N=4)で解析した。病理組織はStage I(AB-B2)Stage III(B2-B3)に分布した。TCR-deltaの再構成はいずれも認められなかった。TCR-gammaの再構成はStage Iで5/6に、Stage IIIでは1/4例(B2)に認められた。TCR-beta再構成はTCR-gamma再構成のある症例では認められた。Stage Iで全例に、Stage IIIで2/4に認められた。TCR-beta遺伝子再構成が認められた胸腺腫TILはいずれもCD4/8 double positiveであり、再構成なしではCD4/8 single positiveであった。
【考察】T-ce11の分化はgermlineからTCR-delta/gammaの再構成が最初に行われ、delta/gammaの再構成失敗例がTCR-alpha/betaの再構成を行うという階層的分化説に従えば、TCR-gamma遺伝子再構成は非常に未熟なT系列細胞で起こっていることとなる。また、悪性度の高い胸腺腫内では未分化なT細胞は認められず、フローサイトメトリーの所見と矛層しなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中島 淳. 田中真人. 松本順. 竹内恵理保. 村川知弘. 深見武史. 高本眞一: "胸腺腫瘍内リンパ球T細胞レセプター遺伝子β鎖・γ鎖の再構成に関する検討"第21回日本胸腺研究会抄録集. 32 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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