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2000 年度 実績報告書

ヒトgliomaにおけるp53蛋白機能の段階的変異と生物学的悪性化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12877205
研究機関北海道大学

研究代表者

石井 伸明  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70312353)

研究分担者 池田 潤  北海道大学, 医学部・附属病院, 助手
澤村 豊  北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (10235476)
キーワードp53 / glioblastoma / 放射線治療 / 化学療法 / 温度感受性変異株 / 細胞増殖能
研究概要

本研究では、glioma細胞におけるp53遺伝子変異の変化の生物学的悪性度に与える影響を検討するため、細胞の増殖能や遺伝子解析を行い、glioblastomaに対する放射線化学療法の治療効果の改善を目的としている。平成13年度は以下のような成果が得られた。
1.温度感受性変異p53(34℃ wild type,37℃でmutant type)を持つglioblastoma細胞株を用いて、p53機能に伴う細胞増殖能をみた。その結果、p53がwild type(WT)の状態では、本細胞株は、増殖能が低く、一方、mutant type(MT)p53の状態では対数増殖を示した。これは、温度変化によってWT p53ではG1期停止が顕著となるためと考えられた(Tsuchiya et al.Hokkaido J Med Sci.2000)。
2.放射線照射により、本細胞株は増殖能の低下をみたが、MTp53ではその感受性が低く、照射後再増殖が観察された。
3.一方、抗癌剤に対する細胞の感受性については、EtoposideとPaclitaxelに対しては、WTp53の方がより感受性が低い結果となり、放射線照射と逆の関係を示した(Ikeda et al.Hokkaido J Med Sci.2000)。Cisplatin,ACNUについては、p53の変化は感受性に影響を与えなかった。
次年度は、これらの現象がp53以外の遺伝子異常によるものか、細胞周期による感受性の差違かを検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 池田潤: "膠芽腫化学療法感受性におけるp53癌抑制遺伝子の役割に関する研究"北海道医学雑誌. 75. 299-314 (2000)

  • [文献書誌] 土屋和彦: "Glioblastoma温度感受性p53変異細胞株の特性とp53機能回復による放射線感受性変化の検討"北海道医学雑誌. 75. 265-274 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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