研究概要 |
(1)ラット長幹骨骨折治癒過程において、II型コラーゲン遺伝子は骨折後7日より発現し骨折後10日に最も強く発現する。一方この1.6kb遺伝子は骨折後3,5日に強く発現し、その後その発現は減少する。また甲状腺機能低下症のラットの肋軟骨において、II型コラーゲンの発現は正常ラットと比較し著明に減少するも、1.6kb遺伝子の発現は正常ラットと同等であった。以上より、1.6kb遺伝子の発現はII型コラーゲン遺伝子の発現と異なることが示された。 (2)ラット肋軟骨のcDNA libraryを作製: 13週齢ラットの肋軟骨を採取し、約600mgのtotal RNAを抽出した。得られたtotal RNAよりoligo dTを使用しcDNAを産製した。このcDNAをlambda vectorに組み込み、cDNA libraryを作製した。vectorにくみこまれたcDNAの長さは最長2kbであった。 (3)作製したcDNA libraryのスクリーニング: 当初α1(II)procollagenのN末端521bpを含むcDNAと、triple helix領域である3.1-3.9kbを含むcDNAの二つのprobeを用いてスクリーニングを行う予定であった。しかし作製されたcDNA libraryに含まれるcDNAの長さは2kb以下であったため、3.1-3.9kbを含むcDNAのみをprobeとして使用し、現在スクリーニングをおこなっている。
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