研究分担者 |
橋本 勲 金沢工業大学, 人間情報システム研究所, 主幹研究員 (40250211)
益子 拓徳 NTTドコモ, マルチメディア研究所, 主幹研究員
黒澤 尚 順天堂大学, 医学部, 教授 (50010301)
富田 善雅 順天堂大学, 医学部, 助手
安間 基雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (40255691)
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研究概要 |
本研究の目的は臨床において末梢神経障害,脊髄障害の術前検査として神経磁界計測を役立てるための基礎的知見の蓄積と手技手法の確立である. 本研究の成果では、まず末梢神経磁界計測において蛙の坐骨神経を用いたin vitroの実験では,末梢神経障害モデルを作成して末梢神経誘発磁界の計測に成功報告した.次に実際に末梢神経障害患者から計測された磁界の実験的再現に成功し報告した.今後もこれを継続させ,末梢神経障害の発生機序の解明と,手術適応決定の臨床応用に役立てたいと考えている.次いでウサギなど齧歯類を用いた末梢神経誘発磁界の計測にも成功し,種々の末梢神経再生実験などの評価法としてSQUID磁束計が利用できることがわかり,報告予定である. 脊髄磁界計測では,犬を用いた脊髄磁界の上行性,下行性誘発磁界の計測に成功報告した.脊髄誘発磁界計測では電位計測ではとらえられなかった様々な脊髄が情報処理過程に発生させると考えられる波形の計測に成功し,基礎的な生理学研究の手法としてもSQUID磁束計が有用であることがわかった.次いで,脊髄障害モデルを犬において作成し,脊髄障害磁界の計測に成功し,報告予定である. ヒトを対象に神経磁界計測をおこなった研究としては,腕神経叢損傷患者で肘の屈曲機能再建の目的で肋間神経移行術を行った患者の,肘屈曲時の大脳皮質運動野の活動領域の計測を行った.その結果,本来手術側の肘屈曲は肋間神経により指令されているのだが,非手術側と同様に,肘の運動野が指令している結果が得られ,中枢神経の過疎性が示唆された.
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