研究課題/領域番号 |
12877281
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
杉山 哲也 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20298764)
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研究分担者 |
池田 恒彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70222891)
奥 英弘 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90177163)
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キーワード | 視神経乳頭 / 循環障害 / 正常眼圧緑内障 / レーザースペックル法 / 視覚誘発電位 / 視神経乳頭陥凹 / エンドセリン-1 / 家兎 |
研究概要 |
サル眼を用いた実験に先立ち、予備的実験として家兎眼を用い、以下の実験を行った。視神経乳頭(ONH)循環障害モデル作成のため、1)エンドセリン-1(ET-1)の反復投与、2)視神経電気刺激、の2つの方法を用いた。 1)ET-1(10-6M、10μl)の硝子体注入を2回/週で4週間反復し、その前後でONH血流(レーザースペックル法)、眼圧、視覚誘発電位(VEP)、ONHのC/D面積比(画像解析法)を測定した。ONH血流は持続的に低下(初期値に比べ80%未満)し、眼圧は対照に比べ有意差がなかった。VEPの潜時は有意に遅延し、C/D面積比は初期値に比べ有意に増大した。 2)開頭手術により視交叉直上に刺激用電極を固定し、4段階の条件の通電により、視神経を直接的に刺激した。その前後で、ONH血流、眼圧、VEP、ONHのC/D面積比などを測定した。弱刺激では一過性に(10分間)ONH血流が増加したが、強度、最強度の刺激では用量依存的に長時間(20分、60分以上)、ONH血流の低下を認めた。眼圧は有意に変化しなかったが、VEPの振幅は強刺激の30分後、有意に減少し、C/D面積比は強刺激の4週間後、有意に増大した。一部では刺激後に乳頭出血を生じ、乳頭陥凹拡大とともにグリア細胞の増生がみられた。 以上、家兎眼を用いた実験ではあるが、ONHの虚血が眼圧とは無関係に乳頭陥凹拡大に寄与し得ることが2つの異なる方法で示された。今後はこれらの結果をもとに、サル眼において慢性的なONH循環障害モデルを作成し、正常眼圧緑内障との関連を検討していく予定である。
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