研究分担者 |
李 昌一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60220795)
高橋 俊介 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60206810)
塗々木 和男 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90139577)
吉野 文彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20308307)
庄司 洋史 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90277913)
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研究概要 |
本研究プロジェクトは,「頭部口腔領域の活性酸素フリーラジカル生成の消長を三次元立体画像化すること」を目的として進められ,申請者らはすでに活性酸素フリーラジカルは顎関節滑液中に産生していることを報告した(Y. Kawai et al.,Journal of Dental Research,79,2000,1489-1495.)。さらに電子スピン共鳴(electron spin resonance ; ESR)による三次元画像化を可能にするためのスピンプローブの開発が進められ,目的とした測定領域を頭部口腔領域としたため,脳と顎口腔領域のそれぞれに適したspin probeを用いた。実際使用したspin probeとしては脳に適したspin probeとしては脳血液関門を通過可能であるnitoxyl spin probeである3-methoxycarvonyl-2,2,5,5-tetramethyl-pyrrolidine-1-yloxy(MC-PROXYL)と脳血液関門を通過できないcarbamoyl-PROXYLを使用して頭部口腔領域における活性酸素フリーラジカルの消長を評価・分析した。動物モデルとしては活性酸素フリーラジカル産生による酸化ストレスを評価するために酸化ストレスにより高血圧症を発症するといわれるspontaneously hypertensive rat(SHR)を用いた。SHR分離脳において正常ラットに比べてESR画像化においてMC-PROXYLの分布する画像のdecayが早いことが観察され,非侵襲的にin vivo ESR L-band測定したdecay rateも同様にSHRが正常ラットに比べて早いことが確認された。これらのことからSHRの脳内の酸化ストレスが高いことをin vivo ESR技術により内外でも始めて報告した(研究発表論文参照)。また,これに加えてMC-PROXYLとcarbamoyl-PROXYLの画像を比較検討することにより顎顔面領域のspin probeの画像化にも成功した(Lee, M.-C. et al., Dentistry in Japan, in press, 2002)顎顔面領域におけるESR法による画像化は世界に類ない報告であり,さらに活性酸素フリーラジカル由来の口腔疾患における三次元画像化に向けたin vivo ESR技術のアプリケーションによる着実な成果を期している.
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