研究課題/領域番号 |
12877315
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石川 邦夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (90202952)
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研究分担者 |
宮本 洋二 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20200214)
上山 吉哉 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00168668)
松屋 茂樹 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (00108755)
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キーワード | セラミックスフォーム / 三次元骨梁型 / 骨補填材 / アパタイト / 骨伝導性 / 骨再生 / 骨再建 |
研究概要 |
本研究の目的は新しい骨補填材料として三次元骨梁型構造を持つセラミックスフォームを調整するとともに、実験動物を用いてセラミックスフォームの骨内組織反応を検討することである。本年度は昨年度に調整したセラミックスフォームを実験動物にインプラントし、その組織親和性、骨伝導性等を検討した。実験動物としては雄性リタイヤラットを用い、頸骨にバイコロチカル欠損を形成した。なお、本条件において骨欠損がクリティカルサイズ以上であることは別途確認した。骨欠損部にアルミナフォーム、アパタイトフォーム、多孔質アパタイト(アパセラム)をインプラントした。多孔質アパタイトにおいて最も迅速な骨伝導が認められた。しかし、骨形成は多孔質アパタイトの表面に限定されており、多孔質アパタイトの表面から0.2mmより深い部位における骨の侵入は皆無であった。一方、アルミナフォームおよびアパタイトフォームの場合はフォーム状構造物の内部にまで骨が旺盛に侵入していた。アルミナフォームの場合はアルミナフォームと骨が光学顕微鏡レベルで結合している割合が小さかったが、アパタイトフォームの場合は相当の部位で骨がアパタイトフォームと光学顕微鏡レベルで結合していた。骨の再生の観点からは骨の新生に伴い、骨補填材が吸収されることが望ましいが、12週までの段階でアルミナフォーム、アパタイトフォーム、多孔質アパタイトのいずれにも著明な吸収所見は認められなかった。 アパタイトフォームの組成は焼結体アパタイトであるため生体内における吸収が認められなかったものの、内部にまで骨が侵入し、優れた組織親和性と骨伝導性が認められたことから、アパタイトを中心に組成を検討すれば極めて優れた骨補填材が開発できると結論した。
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