研究概要 |
セラミックスのナノコンポジット化に関する研究成果を歯冠修復用に応用し、セラミックスが口腔内で使用中に疲労によって破折するのを防ぐ方法を見出す事を目的に実験を行い、以下の結果を得た。ナノコンポジット試験片の調整を、ミクロサイズとナノサイズの粒子でコンポジット化する粒界分散型になるようにした。コア材料として1〜10μmのシリカとマイカ粒子、マトリックスとしてナノサイズのSiO_2,Al_2O_3,CeO_2,Fe_2O_3,MgO,TiO_2,Y_2O_3,ZnOを用意し、均一に混和した後、溶融射出成型機で試験片を作成した。こうして作成した試験片を1000℃まで加熱しDTA測定を行し、ピークの出現状況から予想通りの結晶組成が得られていることを確認した。板状に調整した試験片を用いて硬さと曲げ強さを測定し、破断面のSEM観察も行った。試験結果から曲げ強さ等は使用する粒子の粒径にほぼ反比例し、8種類の超微粒子の中では、SiO_2を添加した場合が最も顕著である事が判明した。次年度には、他の物理的性質についても詳細に検討する予定である。
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