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2001 年度 実績報告書

セメント質由来細胞を用いた歯周組織再生法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12877322
研究機関千葉大学

研究代表者

横江 秀隆  千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (70261930)

研究分担者 丹沢 秀樹  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
鵜澤 一弘  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30302558)
キーワードセメント細胞 / 歯周組織 / 組織再生 / ファイブロモデュリン / ルーミカン
研究概要

ラットを用いて実験を行ない、以下の結果を得た。
1)多数の歯牙を抜去し、歯根周囲からセメント質を採取した。その後、採取したセメント質を抜歯窩に再植し、創傷治癒促進を確認した。
2)治癒した抜歯窩を含む歯槽骨を採取し、一部をHE染色したところ、抜歯窩の一部に線維組織が認められるほかは、石灰化程度は低いがセメント質様の硬組織が認められた。
3)免疫染色を行なったところ、コラーゲン・タイプI、ファイブロモデュリン、ルーミカンが豊富に認められた。
4)このうち、ファイブロモデュリン、ルーミカンは他の硬組織、特に、骨では認められなかった。この結果から、セメント質、あるいは、セメント細胞のメルクマールとしてファイブロモデュリン、ルーミカンを用いることができると考えた。
5)同様に、ラットから正常セメント質由来細胞を単離し、5〜8代程度、安定して継代し、量を増やせるようになった。この細胞はファイブロモデュリン、ルーミカンで濃染し、セメント細胞と考えられた。
6)さらに、ラットの歯牙と周囲歯槽骨の間に電気エンジンで窩洞を堀り、セメント細胞を注入した。この結果、抜歯窩で認められたように、セメント細胞と思われる硬組織が形成され、歯根とセメント質との接合も全域で認められた。
7)しかし、歯根膜は再生されなかった。
8)骨欠損部分がセメント質で満たされ、歯根とセメント質が接合している部分に今後吸収が起きるかどうかを長期観察する必要がある。
以上より、抜歯窩の治癒促進や、顎堤の過度の吸収に対する修復にセメント細胞を用いることは十分に可能であることが判明したが、歯根とセメント質との癒着部分に長期経過中に吸収が起きるかどうかは今後の課題として残った。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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