研究概要 |
平成12年度の実験で遺伝子導入状態とその性状について検討した遺伝子導入培養口腔扁平上皮癌細胞株と非導入株をヌードマウスの舌に移植し、両群を細胞移植20日後に屠殺し、組織学的に頚部リンパ節、肝、肺への転移の有無を確認し、さらに移植部位ならびに転移巣について以下の検索を行った。1)デスモゾーム構成タンパクの発現状態を各々のモノクローナル抗体を用いて凍結切片上で免疫組織学的に検索し、2群間の差異を検討した。2)デスモゾーム構成タンパクの発現状態についてin situ hybridization,ならびにPCR-in situ hybridizationと免疫組織染色の二重染色の手法を用いて2群間の差異を検索した。3)各種デスモゾーム構成タンパクの局在を免疫電顕レベルで2群間の差異を検索した。4)デスモゾーム構成タンパクのmRNAの発現状態ノーザンブロットにて解析した。 以上の研究結果より、遺伝子導入培養口腔扁平上皮癌細胞株と非導入株でのデスモゾーム構成タンパクの発現状態と転移能との関連性を比較検討し、腫瘍の転移機構に最も重要な働きをなしているデスモゾーム構成タンパクが何であるかを判定した。さらに、腫瘍転移におけるこれらデスモゾーム構成タンパク役割について検索し、デスモゾーム構成タンパク遺伝子導入による口腔扁平上皮癌の転移阻止の可能性について検討した。
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