研究概要 |
ヒト扁平上皮癌細胞より精製したマクロファージ活性化抑制因子と考えられるp-90に対するポリクローナル抗体を用いてλZAPライブラリーから陽性プラークをピックアップしたところ,23クローンを得た。RACEプライマーは,得られたクローンのcDNA断片の塩基配列をもとに,Tm値を70℃以上となるように設計した.すなわち,プライマーはAdaptor Primerのほか,3プライム側の28ヌクレオチドのアンチセンスをGene Specific Primer 1(GSP1)とし,5プライム側29ヌクレオチドをGSP2とした.テンプレートは扁平上皮癌細胞であるHeLa細胞のmRNAより作製したcDNAライブラリーを用いた.タッチダウンPCR法より得られたPCR産物をマルチクローニングサイトに挿入し,E.coliにトランスフォームした.このうち#10cDNA PCRフラグメントは336塩基で,予測されるアミノ酸数は107アミノ酸であった.アミノ酸配列の相同性検索結果では,ヒトRNA helicaseであるGu-proteinの38残基中26.3%に相同性がみられた.また,真菌由来のPrp2RNA helicaseとの相同性では,ATP結合motifのQRAGRが保存されていることが確認された.この配列はRNA helicase特有のmotifであることから,#10フラグメントはRNA helicaseのcDNA断片と考えられた.今後,さらにプローブを作製し,スクリーニングを行う予定である。
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