研究概要 |
我々はアルブライト病の病因の一つであると考えられるGタンパクα鎖遺伝子変異の解析をアルブライト病骨組織より得られた全RNAを用いて行った結果、本アルブライト患者のGタンパクα鎖201番目のアミノ酸アルギニンがシステインに置換していることを明らかにした。正常ヒト骨組織より得られた全RNAを用いた実験においては、遺伝子変異は検出されなかった。さらにアルブライト病骨組織より細胞を単離し培養した結果、これらの細胞はアルカリフォスファターゼに陽性反応を示し骨芽細胞系の細胞であることが示唆された。これらの細胞から全RNAを抽出し、Gタンパクα鎖遺伝子変異の解析を行った結果、得られた細胞においても遺伝子変異を検出することができた。シークエンスにおいてGタンパクα鎖201番目のアミノ酸アルギニンをコードする塩基配列CGTのCの部位にCとTのピークが検出されたことから、本患者においても病変部異に正常細胞と変異細胞が混在していることが示唆された。さらに我々は、RT-PCR法にて病変細胞がIL-6,IL-11の遺伝子を発現するのみならず、BMP-2,BMP-4,TGF-βの遺伝子を発現することを明らかにし、さらに今回IL-1の遺伝子を検出することができた。今後は、半定量RT-PCR法により病変細胞に発現の高い遺伝子を検出し病変進行とのかかわりを解明していく予定である。
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