研究概要 |
本研究の目的を歯周炎の発症を引き起こす関連遺伝子の検索と位置づけた我々は、その一環としてこれまでに、mRNA発現の違いを一枚のグル上てfinger printするRNA arbitrarily primed polymerase chain reaction(RAP-PCR)法を用いて、LPS刺激の種類の違いにより好中球に発現する遺伝子の強さが異なることや(Dentistry in Japan,1999)、Porphyromonas gingivalisのLPS刺激により好中球がsupervillinやvascular endothelial growth factorを有意に強く発現することを明らかにしている(J Periodont Res,2001)。 本実験では、典型的な早期発症型歯周炎(EOP)患者6名、対照として成人性歯周炎(AP)患者6名と健常人(H)8名を被験者として選定し、各々の末梢血液より好中球を分離した。合成ペプチドのfMLPによる刺激後、全RNAを抽出し、任意の45種類のRAP-PCR primersを用いてRAP-PCRを行った。 その結果、他のグループに比べEOPにおいて37バンドか強く、27バンドが弱く発現した。それらの遺伝子についてクローニング、シーケンシング、プライマー設計及びRT-PCRによる半定量を行った結果、EOPにおいて有意に強く発現する遺伝子としてHeat shock transcription factor 4bが、Hと比較してEOPにおいて有意に低く発現する遺伝子としてKruppel-like zinc finger transcription factor 9とMuskelinが特定された(J Periodont Res,in press)。
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