研究概要 |
医学生および卒後研修医教育に於ける災害医療・災害医学教育は,現在座学によって行われているが,日常的に発生する事のない災害を想定した教育により実践的な医療を学ぶことは一般的な座学のみでは困難であることから,本研究ではコンピューターによりビジュアルでインタラクティブなシミュレーションを体験できる教育プログラムを作成し,この仮想体験から災害医療・災害医学について学習できるようにすることを目的とした. 本年度はこれまでに作成した過去の災害現場,災害訓練の静止画像や動画像素材を,これらの災害救助活動(医療面)の概要と各事例の問題点の分析から理想的な医療活動のアルゴリズムを想定しPCソフトにてインタラクティブな教育プログラムを作成した. 災害教育効果の判定に用いる標準的試験問題の作成のために,教科書的な災害関連の問題点を過去の災害事例の文献から分析した. これらのプログラムをもとに医学部学生,救急隊員等に対して災害医療・医学教育を行い,これまでの座学と比較して体験的効果に近い教育効果をえることができたと考えられた.ただ民生用機器によるプログラムには限界があり,より効果的なプログラム作成には専用機器による高度なプログラムの作成が必要とも考えられた. 今回の萌芽的な研究として仮想体験教育の効果について一定の評価を得ることができ,その目的は達したものと考えられた.
|