研究課題/領域番号 |
12877377
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
加地 正英 久留米大学, 医学部, 助手 (70258408)
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研究分担者 |
久能 治子 久留米大学, 医学部, 助手 (80289371)
佐藤 能啓 久留米大学, 医学部, 助教授 (70215870)
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キーワード | かぜ症候群 / インフルエンザ / 医療費 / 経済的損失 / コストベネフィット / 外来 / 迅速診断 |
研究概要 |
本邦では感染症における診断や治療法に関する検討は盛んに行われているが、そのコストベネフィットに関する検討はごく限られている。今後予防や新薬に対する有用性の判断にも本分野の検討が、薬効評価と合わせて重要な検討項目になる。インフルエンザは毎年流行し、多くの罹患者が出るのは周知のことであるがこの経済的損失、特に医療費の増加に与える影響に関する情報は極めて少ない。公的な報告でもおおまかな推定が行われているにすぎず、欧米での研究に大きく差を付けられている。実際に外来におけるインフルエンザとそれ以外のかぜ症候群の医療費に関する報告は極めて少ない。本研究では臨床症状のみでなく病原体分離もしくは血清中抗体によりインフルエンザと診断した症例に関して検討しており、このデータは今後予防(インフルエンザワクチン)や抗インフルエンザ剤による予防によりどれだけ医療費が節減できるのなどの評価を行う上で、有用な基礎資料となると考えられる。 調査対象としたのは2000年1月から3月末までの期間に当院の外来にかぜ症候群すなわち発熱やくしゃみ、鼻汁および咳などの気道症状により受診した患者をインフルエンザ患者(迅速診断キット、血清中抗体検査によりインフルエンザと診断)と非インフルエンザ(インフルエンザ迅速診断キット陰性、インフルエンザ抗体検査陰性)の患者の2群に分類し、医療費について検討した。 調査項目は年齢、通院日数、医薬品代(内服、点滴)、検査費、画像診断費、総計(初診・再診料など)である。 結果非インフルエンザ患者(医薬品代3416±124円、点滴代350±269円、検査費4853±506円、総計12420±976円)に比してインフルエンザ患者では(医薬品代3557±296円、点滴代670±195円、検査費6577±495円、総計14800±987円)となり高額であることが明らかとなった。
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