研究課題/領域番号 |
12877385
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
柴田 重信 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10162629)
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研究分担者 |
守屋 孝洋 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (80298207)
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キーワード | サーカデイアンリズム / 体内時計 / 時計遺伝子 / 肝臓 / コレステロール / スタチン化合物 / 食事 / 給餌リズム |
研究概要 |
大脳皮質・海馬や肝臓の体内時計遺伝子mPer1やmPer2の発現に日内リズムが存在し、その発現パターンが、主時計である視交叉上核とどのような位相関係にあるかを調べると言う研究計画で、実際に調べて見ると、大脳皮質、肝臓ともにPerの発現ピークは6-8時間ほど遅れていることがわかった。次に大脳皮質・海馬や肝臓でのこれら遺伝子発現リズムが視交叉上核で支配されているかどうかを明らかにするために、視交叉上核破壊動物を用いて、同様の実験を行ということであった。実際に調べて見ると、大脳皮質、肝臓いずれのPer遺伝子発現リズムも消失していた。小脳で調べた予備実験では、インビトロの状態では体内時計遺伝子の発現の日内リズムも消失していることも判明した。今回の研究で、非常に面白い成果は、視交叉上核を破壊した動物でも、動物の給餌時間を前進させると、大脳皮質、肝臓のいずれのPer遺伝子もその発現リズムが前進したことである。さらにこの時、肝臓のコレステロール合成酵素である、HMG-CoA還元化酵素のリズムのピークも前方移動した事である。すなわち、給餌時間を変更する事により、時計遺伝子の発現リズムの位相を変更できるのみならず、酵素の発現までもピーク位相を変更できた事である。したがって、スタチン系の高脂血症改善薬が夜間に投与されることの、時間薬理学的裏付けが得られると共に、より適切な給餌時間を設定する事により、これらの薬剤の時間治療に貢献できる事を示せた。
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