平成13年度研究目標: 在宅療養者に対し訪問看護師は、在宅ケアを提供している場においてどのような「看護を提供している」体験をしているかについて明らかにする。 研究方法: 1)研究対象:本研究の主旨を了解し協力が得られた訪問看護師7名 2)データ収集方法:半構成的面接法を用いインタピューを行った。インタピューは誘導的にならないように細心の注意を払い、導入として「現在行なっているその在宅療養者への看護について」語ってもらうことのみ告げた。インタピューは1回平均60分、1人に対し2〜3回行ない、承諾を得てテープレコーダーに録音した。 3)データ分析方法:インタビュー内容を記述し、文脈の中から体験している世界をできるだけ忠実に読み取った。研究者が読み取った世界を研究対象者に返し、再度それに対するインタビューを新たなデータに加え分析を繰り返すことで、体験している世界の客観性を高めた。 研究結果と今後の計画: インタビューを行なった7名は、何らかの医療処置を目的に訪問看護の依頼を受けていた。行なう医療処置に対しては「看護婦さんが来てくれるから家で生活できる」といった療養者やその家族の反応をとらえ「プロとしての仕事を認めてもらえている」体験をしていた。さらに、療養者の生活の質を高めていくためにはどうしたらよいかを思考し、療養者との関わりの中で様々なアプローチを実施していた。しかし、看護師は療養者の反応から「難しい」「全然先に進んでいない」「私達は必要ないのか」といった体験をしつつ、それでも「がんばっている自分」を内的世界として持っていた。 今後さらに、信頼性を高めるための分析を重ねていきたい。
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