クリティカル・パス作成教育用アプリケーションを構築する前段階として、学生が実際に成人看護学外科実習において受け持った患者を例とし、看護婦・看護士及び看護学生の専門的知識不足を支援するためのデータベースーインターネット連携システムを開発した。 基本となるマニュアルとしてカルペニート看護診断マニュアル第2版を用い、データベースヘの入力にはWindows98パソコンを使用して、光学スキャナ(EPSON株式会社GT-7600UF)による印刷物の読み取り、光学スキャナ添付のOCRアプリケーションによるディジタルデータ化を施した。 取り上げた看護診断数は、実際に決定したものと選択肢として考えられたものを含め16であった。ディジタルデータ化したマニュアルの各ページはそれぞれのテキストファイルとして保存し、さらに看護診断名毎にまとめ、定義・定義上の特性・関連因子・焦点アセスメント基準・達成目標(患者目標)・看護介入に分割し、最終的に9つのテーブル、合計1645レコードからなるデータベースを構築した。 構築したデータベースを保持するサーバーにはWWWサーバー機能も付加し、PHP3言語によって記述されたウェブページを介してより高速に検索可能とした。インターネットで検索を行うのと同様のユーザーインタフェイスを採用したため、一般のWWWブラウザを使用することが出来るようにした。このとにより、閲覧者がコンピュータの操作自体に悩むことは無く、また従来に無い「逆引き検索」機能も付与できた。 本システムにより、看護婦・看護士及び看護学生は必要な専門知識を即座に確認でき、従来のように分厚いマニュアル本を繰るといった時間的かつ精神的労力から解放される可能性を示した。また本システムはアセスメントから看護診断を確定する過程を支援するものであり、従来にある機能的パターンから看護診断を確定するシステムよりも看護婦・看護士が日々の看護実践で行っている思考過程により合致すると考えられた。
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