若年女性23名(平均年齢21±1歳、以下若年群)と壮年・老年者35名(男性16名、女性19名:平均年齢71±10歳、以下高齢群)を対象として、ファースト・フードを主とする食生活調査と血液調査を行った。独居の割合は、若年群では91%(21名)、高齢群は14.3%(5名)であり、圧倒的に若年群が多かった。居住形態は、若年群は下宿(91%)が多く、高齢群は自宅が100%であった。1日消費エネルギーは、若年群と高齢群で差はない(平均約1650kcal)が、最も少ない人と多い人では約1000kcalの差が認められた。ファースト・フードの利用頻度は、平均では若年群が2日に1回、コンビニエンスストアは週3回程度と多いが、高齢群はほとんど利用していない。利用食品は、若年群はおにぎり(約52%)、サンドイッチ(約44%)、ハンバーガー(約39%)が多く、高齢群はすし(約46%)で食品の嗜好の特徴を示していた。食生活の認識では、若年群が食事のコントーロールをしていたり、摂取エネルギーに関心があるが、高齢群は食生活に特別な配慮や調整の必要を感じていない者が多かった。若年群は、自分の食生活が正常でないと認識しているが、高齢群はほとんどが正常であると感じていた。血液成分では高齢群の脂質系が高く、若年群と比較すると高齢女性の血清TG(中性脂肪)・総コレステロール値が有意に高かった。BMIは若年群が平均20(最小17、最大23)と低く、高齢群は平均23(最大29、最小16)と幅があった。血圧値は、高齢女性の中で収縮期血圧が200mmHg以上の者がおり、高齢群と若年群とは明らかな有意差を認めた。本調査結果は、高齢群の方が食事の内容も時間もバランスよく摂っていると認識しているが血清脂質などが高値である者が多く、若年群は不規則な食事であると認識しているにもかかわらず血液成分などへの影響はほとんどないことを示していた。
|