研究概要 |
足部マッサージに腹式呼吸を加えることによる生理的検討を行い、リラクセーション効果に関する、効果的な技法を見い出すことを目的としている。平成12年度は腹式呼吸の呼吸様式を中心に実験した。まず、呼吸様式として、吸息は鼻から行う。この理由は、鼻呼吸は鼻腔を通る間に空気が浄化、加湿され、免疫力も高まるといわれている。また、腹式呼吸は自律神経を刺激して血行を良くし、内臓を活性化させるといわれる。呼息については口からとした。 実験は、健康な20〜30歳の女子、7名である。体位はベットに仰向けとなり、呼息4秒、吸息4秒を3分間実施し、終了後から60分間は自然呼吸とした。測定方法は心拍変動のパワースペクトル解析により、心拍数(HR)、副交感神経活動の指標として高周波成分(HF),交感神経活動の指標として低周波成分と高周波成分の比(LF/HF)を評価した。統計検定は、実施直前の値を100%とし、HR,HF,LF/HFの時系列変化を反復測定による分散分析を行った。今回の結果は、実施直前と終了後から60分間を比較すると心拍数の減少、副交感神経活動の指標を示す高周波成分(HF)の増加、また交感神経活動の指標として低周波成分と高周波成分の比(LF/HF)の低下が有意に認められた。
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