研究課題/領域番号 |
12877412
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤村 龍子 東海大学, 健康科学部, 教授 (90070763)
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研究分担者 |
江川 隆子 大阪大学, 医学部, 教授 (40193990)
大石 ふみ子 東海大学, 健康科学部, 講師 (10276876)
雄西 智恵美 東海大学, 健康科学部, 教授 (00134354)
徳田 裕 東海大学, 医学部, 助教授 (20163975)
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キーワード | 倫理的判断 / 問題解決プロセス / 意思決定 / 乳がん患者 / 思いやり / 傾聴 / 看護成果 / クリニカルパス |
研究概要 |
1980年代後半に医療価格と質のコントロールの為に米国に登場し、1990年代後半になって我が国の医療に導入されてきた「クリニカル・パス」または「クリテイカル・パス」(以下CP)に関する評価的研究はなされていない。新しい医療サービスの方式としてのCPに関する内容分析とその有効性に関する研究は意義があるので着手した。平成12年度は、CPの先取国米国・ミネソタ州ロチェスター市メイヨメデイカルセンターおよびハワイ州、クワキニ病院(日系病院)において調査・資料収集を行った。さらに、協力の得られた日本の国立・私立系大学病院において聞き取り調査を行った。メイヨークリニックにおける、乳癌患者の診断-患者・家族の意思決定プロセスー術前の患者コーピングプログラム等は、CPの有効性をさらに高めるシステムとして導入されていることが明らかにされた。特に、乳房クリニック専門看護婦(Clinical Nurse Specialist)は、専門医・放射線医師とチームを形成し、乳房フィジカルアセスメントから患者・家族の意思決定に関与し相談・調整・指導的な責務を遂行している。メイヨーにおける術後回復日数は、Variance(最初の想定したCPからはずれる場合)を除いて通常は3-4日間であり、日本の平均在院日数の10日間と比較し短縮されている。この背景には、CPによるシステム化よりも手術前の準備過程に大きな差がある事が明らかにされた。クワキニ病院における、乳房切除患者のCPは、術前1日-術後3日の標準的パスによって構成されている。手術患者の看護診断である、(1)ボデイイメージの障害、(2)不安、(3)疼痛、(4)身体可動生障害、(5)セルフケア活動に関連した知識不足等を縦軸に、時間経過に応じたケアプランを横軸に学際的チーム(Interdiciplinary Team)の活動内容が記述されている。CPの活用効果や意義についての検証は、次年度の課題である。
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